新陰流は「剣聖」術理を習得する

<活動の実際>

 戦国時代の16世紀に、上州に誕生した上泉伊勢守信綱が創始した「新陰流」の原型が、現代に承継されている「本伝」を稽古によって体得します。流祖は日本剣術史で唯一「剣聖」と称されています。

 ①入門後は「内伝」「試合勢法」と階段を上って「本伝」に至る、型稽古に取り組む。

 ②定例稽古と合宿で順次300種類を超す「太刀あるいは勢法(かた)」を、まず身につけます。

 ③「本伝」の習得と伝承が最終目標(基本的には試合はしない)で、活人刀が基本をなします。

 ④その成果は定例の「演武会」(各地で公開するもの、内部練磨のものとの2種類)で発表します。公式演武では上級者による「甲冑演武」(鎧をまとった戦闘の型)もあります。 

 ⑤術理の教習と探求は、実技と教範、機関紙(季刊)などで実践し、「伝位」と「称号」で実力を認定・公表しています。

 ⑥活動紹介に際しては、古典文化の普及を基本にしているため、サブカルチャー的な活動はしていません。

 

<指導と魅力>

◎指導者   新陰流正伝上泉会の有資格者(師範・師範代・教士・准教士など)です。

◎居合併修  制剛流抜刀術(居合・立合)と新陰流仕込杖の稽古にも取り組みます。規定の会費内。

◎楽しみ   若い人も、シニアも、男女の区別なく楽しめます。武道未経験の方こそ歓迎です。

◎行事    上泉会主催の全国演武大会、記念演武会、全道場合同合宿、流祖墓参+菩提寺演武、       実技講習会など。多摩道場主催の演武会、体験会(年2回)など。

◎広報    このHPや上泉会活動を中心にしたSNSを活用したPRと社会参加を試みています。

◎多摩道場長の川部正昭は、上泉会の役員、機関紙編集部長でもあります。      

 

<稽古と行事>

 ◎稽古の場所と時間

  ①JR横浜線片倉駅・京王線京王片倉駅近くの公共施設で、毎週木曜日の午後6時30分~9時10分

   (八王子市立由井第二小学校体育館、由井市民センター体育室など)

  ②JR横浜線相原駅近くの公共施設で、隔週金曜日の午後6時45分~8時45分

   (町田市立相原小学校体育館など)

 ◎多摩の行事  例年、冬2月と夏8月に定期的に、市民向け「新陰流(剣術)体験会」を開催して、武術の良さと歴史を理解してもらうよう努めています。八王子市広報紙や独自SNSでも告知・募集します。

 ◎本部主催の「新年演武会」「新年会」「納会」とは別に、多摩道場独自でも開催しています。

 

<会費>

 現在、入会優遇期間中です。

◎稽古料  月4,000円(半年分前払いは月3,500円)

      制剛流抜刀術と新陰流仕込杖(共に自由参加)の稽古料を含みます。

◎入会金  15,000円(教範書籍代の4,000円込み)

      ただし、実質は9,000円(同書籍代込み)です。現在は会員募集の優遇期間中のため、

      新規入会者は入会月と翌月の稽古料(合わせて6,000円程度)が無料になります。

◎道具類  袋竹刀や木刀などは実費購入願います。稽古着は、上衣が白、袴が黒(女子は白)が正式です

      が、当初は手元にある胴着や運動着で十分です。貸与用具もあります。

 

<多摩道場「少年部」開設>

 令和4年5月、新陰流正伝上泉会多摩道場に「少年部」を開設しました。入会の条件は、原則として小学校4~6年生で、保護者と共に安全の確保に努め、新陰流の術理を初歩から身につけること、などに同意していただきます。入会金は1,000円(教科書代を含む)、月会費は1,600円で、規定に沿った袋竹刀(新陰流の中太刀=9,000円)を購入願います。稽古着・袴は、入会後に追い追い揃えて頂きます。

 「少年部」の開催概要(令和6年)

①稽古時間  毎週木曜日午後5時45分~6時45分

②稽古場所  JR片倉駅近くの公的体育施設

③教習内容  剣術『新陰流』の基本術理、礼儀作法、基礎体力づくりなど

④指導者   新陰流正伝上泉会の称号保有者

       令和6年から、師範・多摩道場長の川部正昭と目録・准教士の杉森昌樹

⑤催事参加  新陰流正伝上泉会が主催する日帰り公式「演武会」に参加できる

       初参加は令和5年上泉会演武大会(靖国神社能楽堂)でした

⑥問合わせ  本ホームページの「お問い合わせ先」か

       責任者の川部のメールへ  kawave@world.ocn.ne.jp

 


新陰流正伝上泉会の新キャラクター⑥


少年部の戸田会員に「初伝之證」

 令和5年1月19日、多摩道場少年部会員の戸田建広が、島正紀師範長・多摩道場師範から、初めての伝位といえる「新陰流初伝之證」を手交されました。前年5月の入会以来、弛まぬ稽古への取り組みでしっかり成果を上げたことに対し、表彰されたものです。少年部では今後の先例となる見通しです。

 少年部は、成人会員とは別建ての基本練習から始まりますが、袋竹刀の扱いに慣れるのに従って、新陰流の独特な技である「雷刀」「クネリ打ち」などを順次身につけつつ、最初の公式型である「三学円之太刀」から始まり、続いて「相雷刀八勢」へと次第に複雑な術理へと進んでいきます。戸田会員は、これら初級の型である“取り上げ使い”を概ね体得して、当日は多摩道場会員を前にしっかりと演武を披露できており、いつでも外部の観客に見てもらえる水準にまで到達しつつあります。これからは、三番目の型である「九箇之太刀」へと前進する段階になりました。

 新陰流はスポーツとは別物の武術です。体全体とりわけ上半身の動きは、向かい合う相手の動きを読みつつ勝ちを引きつける、独特のものになります。サッカーの様に前後左右に足を使って動き回るのではなく、必要最小限の体捌きで目的を達する秘訣が隠れています。現代の少年には馴染みのない動きに、戸田会員は面白さを感じ取っているようです。多摩道場では、成人会員だけでなく少年部の陣容拡大も、新陰流弘流の大きな仕事になります。

外国人会員の黄が伝位「大転」を獲得

 令和4年1月20日、新陰流正伝上泉会は多摩道場の会員(八王子市在住)黄冠熹の技量向上を認め、「大転」を伝授しました。多摩道場では外国人で初めての伝位獲得で、今後のさらなる精進で上の伝位へと進むことが期待されます。

 稽古は試合勢法「中段十四勢」が次の課題で、身体の使い方が複雑になり、習得がなかなか難しくなります。しかし、身長180cmを優に超える偉丈夫に映える技量は、大いに期待できそうです。皆様の応援を宜しくお願い致します。